やせも肥満も不妊や妊娠・出産のリスクを高めます!
若い女性の「やせ」がどうして問題なの?1)
現状とリスク
国民健康・栄養調査(厚生労働省)の結果によると、20~39歳の女性の体格指数(Body Mass Index)(以下「BMI」といいます。)の平均値は、1973年以降、2000年代初頭まで減少傾向を示しました(図1)。同じ時期に、低体重(以下「やせ」といいます。)(BMI<18.5kg/㎡)の女性の割合は増加傾向を示し、1973年には20~29歳で15.1%、30~39歳で7.2%であったのが、2023年にはそれぞれ24.4%、17.9%でした(図2)。
若年女性の「やせ」は、早産や低出生体重などのリスクを高めることが報告されています。我が国の若い女性は朝食の欠食割合が高いほか、エネルギー摂取量も少なく、「やせ」の割合が高いという現状があります。
「やせ」や体重減少による若年女性における健康障害の代表的なものに、排卵障害(月経不順)があります。排卵障害は不妊の原因となります。また、「やせ」の女性ほど閉経年齢が低く、将来の骨粗鬆症のリスクが心配されます。
参考
「健康日本21(第三次)」の目標 若年女性のやせの減少
目標値:BMI18.5未満の20歳〜30歳代女性の割合 15%
「やせ」がもたらす低出生体重の問題
出生体重が2,500g未満の低出生体重児割合は、最も少なかった1975年の5.1%から増加し、2004年以降は9.5%前後となっています(図3)。
胎児期の発育が十分でなかった場合、成人後に高血圧や2型糖尿病、慢性腎臓病、脳心血管病などの発症リスクが高まる可能性があることが、多くの先行研究で報告されています。近年は、こうした疾患の発症リスクに加え、胎児期の成育環境が神経学的な発達にも影響するという知見が広まり、児の将来の健康や特定の疾患のかかりやすさは胎児期や出生早期の環境が影響するという概念が注目されるようになりました。
「肥満」の女性への影響2)
日本女性の肥満(BMIが25kg/㎡以上)の割合は、2023年の国民健康・栄養調査によると20〜29歳で11.8%、30〜39歳で12.4%とされています(図4)。日本は比較的肥満の少ない国ですが、肥満も性機能や妊娠に大きな影響を与えるので注意が必要です。
肥満女性の63%に無月経、稀発月経、過少月経がおこります。卵巣からの女性ホルモンだけでなく、副腎や脂肪組織からの男性および女性ホルモンの異常産生・分泌が加わることで、月経不順・排卵障害となり、不妊症の原因にもなります。また、女性ホルモンが長期間持続的に作用すると、子宮内膜が異常に増殖し、不正出血や子宮体がんも多くなります。妊娠中や分娩に際しても、リスクが大きくなります。
出典
- 「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針 ~妊娠前から、健康なからだづくりを~ 解説要領」令和3年3月(厚生労働省)P1-P3をもとに株式会社カネカ作成
- 「HUMAN+ 女と男のディクショナリー(改訂第二版)」2018年9月30日発行(日本産婦人科学会編著)P34をもとに株式会社カネカ作成